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・桁の深さを変えずにリングのコーナーRを変えると、大きな応力低減効果が期待できる。
などの知見や確認が得られた。
(4) トランスリングの座届・塑性崩壊強度
図2.7.10 に示すようにトランスリングの標準モデルの斜板側の桁を両端のR部分を含めて取り出し、座届と同時に降伏の影響も考慮した弾塑性大たわみ解析を行い、実際の崩壊挙動を調べた。
解析はT型面材/L型面材/面材無しの3モデルについて、タンクの内圧、ホールドバラスト水圧の両状態で行い比較した。
・タンク内圧が作用する場何は、コーナーR部の面材の降伏→桁の横倒れ→R都の全面降伏・ウェブの勇断座届→変形成長という挙動をする。
・ホールド側からの荷重に対しては、コーナーR部の面材の降伏→R部のウェブ勇断座届・桁の横倒れ→変形成長という挙動をし、ホールド側からの方が崩壊荷重が7.6%小さかった。
・T型はL型より10%程度崩壊強度が大きいが、L型でも18m程度の崩壊荷重を有しており、ケープサイズBCで考慮すべき水頭に対して上回る程度のものとなっている。

 

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図2.7.10 T型面材を有するトランスリング平行部の座届・塑性崩壊挙動

 

(5) トランスリングの面材形状の違いがコストに与える影響
面材形状の違いが工作性と材料費に与える影響を検討し、(3)項で検討した各構造についてトランスリングのコスト比較を行った。
(6)設計指針
上記各項で得られた結果から、トランスリングのコーナー部の最大応力とコストを代表値、鋼材重量・工数を参考値として、それぞれの相関を比較出来る図2.7.11に示すような図表を作成し、必要な強度特性を得る為にはどのような構造が最も経済的であるか、簡便に検討する事を可能にした。

 

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図2.7.11 コーナーRを変化させた場合の強度と物量とコストとの関係

 

 

 

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